超絶ウルトラ久しぶりに渋谷のチェルシーホテルに行ってきた。20歳の時、私にとってチェルシーホテルは憧れの場所だった。チェルシーホテルの詳細を知らない読者のために一応説明しておきますと、チェルシーホテルはホテルではない。ライブハウスである。なぜホテルという名前を付けたのか、私は調べていないのでまだ知らない。
私が三軒茶屋に住んでいた20歳の頃、私が3ヶ月間だけ在籍していたバンドのメンバーがやっていたもう一つのバンドのライブがチェルシーホテルであって、確かチケットを貰ってメンバーと観に行ったような気がする。で、ライブハウスらしからぬチェルシーホテルの内観が気に入って、ライブやるならチェルシーホテルでやりたいものだとその時思ったのである。
久しぶりに行ったチェルシーホテルは、記憶よりもだいぶ小さかった。おそらく小さく改装するとも思われないから、私が大人になって大きくなったか、お客さんがいっぱい入っていたからだろう。ここで無料のイベントが度々開催されている事はちょっと前に知った。
さて、前置きはこのくらいにしておいて、昨日は岡崎体育のライブを観に行ったのである。岡崎体育じゃないアーティストが他4組くらい出たんだけど、岡崎体育の客が桁違いに多かった、気がする。私は最初のほうから割と前で観ていたのだが、岡崎体育の前になったらドッとファンが前方へ押し寄せたのである。支持率高っ。
で、ライブが始まった。いきなりテンション高い。twitterやらyoutubeで観たところによると、最初から最後までエンターテイメントのようだったが、毎回最初からあのテンションで舞台に上がるのはスゴイと思った。そして、最初の曲からいきなりエンターテイメントだった。歌詞がめちゃくそ面白い。また、その曲がyoutubeにあがっていない事がまた計算高いというか、なるほどねーってめちゃめちゃ感心した。
次の曲も、その次の曲も面白い曲だった。ライブハウスという場所で、面白い曲をやるアーティストって私はあんまり知らなかったので、彼の一人勝ち、ライバルなんていないじゃないか。本当に口パクだったようだけど、口パクってバラしておきながらちゃんと口は動かしていて、ホントに口パク?と思わせるほど精巧な口パクである。顔の表情やジェスチャーとかも完全にエンターテイメントでスゴイなって感心してしまう。周りの客がめちゃウケていた。私はウケるより唸ってしまった。普通に良い曲を書いて、普通に演奏の上手いバンドは、音楽業界に結構いる。それにエンターテイメント性が加わったバンドが人気を誇る現代である。
彼のライブに足を運ぶのは今回が初めてだ。というか、今まで存在を知らなかっただけだ。周りの客はどうだったのだろう。何度もライブ来てるファンなのだろうか。youtubeは一通り聴いてみたしblogも読んだ。去年のワンマンまでしか更新されてなかったけれど。で、岡崎体育のライブってこんな感じかなぁ…と思い描いていたんだけど、ライブ観て、あぁなるほど。そこであのシーンか。とか、ほぅそうか。それでこの曲か。と、やけに納得して、改めてエンターテイナーとしての岡崎体育に感服した。と言うか、どの曲にもオチがある。関西人のパワーに圧倒されたし、関西人ってどうして、目線一つとっても面白いんだろう。その発想とか間の取り方とか、何が違うんだろう。関西人ずるい。
彼は物販の商品を「買って下さい」なんて一言も言ってないのに、物販には長い行列ができていた。隣で他の出演者らが物販を売っていた。岡崎体育も物販出てくるのかなぁと思ったけど、スタッフの女の子が一人でめっちゃ頑張って対応していた。彼女がとても感じが良く、一生懸命やっていたので、なんか結構売れていた。本人出て来ないのに、物販の中で一番売れていた。岡崎体育めっちゃ楽して儲かってるじゃん。酷い話だ。他の出演者には申し訳ないけれど、他の出演者もスペースシャワーに選ばれて出演しているだけあって、みんな演奏上手かったし曲の内容も良かったにもかかわらず、私も岡崎体育グッズだけを買って帰った。これが現実だった。限られた金銭で何を買うのか、という事に、当然ながら世間は厳しい。
岡崎体育と対バンしたいな…と思っていた。でも昨日、岡崎体育とは対バンしたくないな…とも思った。これを言うと、岡崎体育と勝手に勝負をしているみたいだけど、岡崎体育にはとても勝てない。作曲や編曲のセンスは抜群だし、それに加えて一曲一曲に笑いのポイントを詰め込んであるライブ。強敵だ。ただ、岡崎体育のライブは、全てが計算し尽くされているのではないか?と私は思った。
昨日のライブは、岡崎体育のライブを初めて観る人向けに構成されていた、と思う。私もそのうちのひとりであった。「岡崎体育ってどんなもんや? 観に行ってみるか」という大きな集団に向けて作られた世界のように感じた。よくミュージシャンは言うだろう。「こんなにたくさんのお客さんが来てくれて本当に嬉しいです。ここにいるひとりひとりに届くように歌います」と。それってキレイ事か?
でも、どんなに広い会場で、どんなに大勢の客が聴いていても、その曲が誰かひとりの心に届けば良いな…と願いながら歌う歌は、誰かには届かなかったとしても、きっと誰かの心に沁みる、と私は考えている。私の事を知らないミュージシャンが、彼の彼女の大切な特定のひとりを想って書いた曲を、自分を応援してくれる大切なファンを想って歌えば、それは彼らの曲にもなるだろう。
何が引っかかったかと言うと、どんなにエンターテイメント性を考えても、5曲やるならうち1曲は生で歌ってほしかった、6曲やるなら、せめて2曲くらいは口パクでなく、本物の声で歌ってほしかった、という事だ。テレビではなく、ライブハウスという空間にわざわざ足を運んでいるのだから、振り付けなんて無くって、全く面白くない曲があっても良い、1曲くらい生の歌声を聴きたい。そうでなければ、演劇や大道芸ってジャンルで売り出すべきであるよ!と私は勝手に思った。演劇性はじゅうぶんあるし、大道芸としてやってもじゅうぶん人を惹きつけられると思うから。
彼まだ25歳なのか。あれ?フライヤーにそう書いてあったけど、計算してみると26歳だな。フライヤー間違ってるじゃん。まぁ何にせよ面構え・身体つき・言葉全てに貫禄あるけど、人気出てきて、第1波目の波に乗っているところだろうか。彼はきっと勝負している。彼なりに一生懸命にエンターテイメントについて研究し、毎回のライブに挑んでいるのだろう。でもきっとこれからぶつかる壁もあって、まだまだ上を目指して上昇するだろう。私も音楽の世界で、彼とどこかで巡り会えるように出直そう。そしてライバルとしてではなく、一緒に人の心に届く作品やステージを作ってみたいと強く思う。私もまだいろいろ足りない。彼もまだ時期じゃない。負け惜しみじゃない。心からそう思っている。
音楽ってなんだろう?という奥深き問いを、昨日投げかけてきたのは岡崎体育だった。簡単に答えを出すのは浅はかで、永遠に答えが出ないかもしれないこの問いに、私は表現者の仲間達と共に挑もうと思う。もう岡崎体育と勝負しようとか思わない。自分には才能がないからダメだなんて、もう決して言わない。
岡崎体育は、これからきっともっとスゴくなる。岡崎体育の今後の音楽におおいに期待しよう。
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