雨が降っていた。
出掛けようとした直前になって、更に激しくなった。
9時にバスターミナルで待ち合わせの予定だったが、8時22分に藤君からバスターミナルに到着した旨のLINEがきた。おいおい…予定より30分以上も前ですよー。
LINEがきた、と言うかLINEがきていたが、案の定私はバタバタと用意をしていて、LINEに気付いたのは8時45分頃だった。
藤君とは、先月、沼ノ端自動車学校で知り合った。
仮免が同じ日で、唯一、一般人(教官以外)で私の運転する車に乗った事のある人物だ。まだ未だに友達も家族も乗せて運転していない。
ちなみに藤君とは、私が勝手につけたあだ名だ。藤君は活性の火にも2日とも来てくれた。
仮免合格した後の学科の授業で、確か経路の設定ってヤツかな? その日合格したのは私と藤君の二人だけだった。 そこで、鈴木先生が「お二人は待ち合わせ時間の何分前に行きますか?」と話をふった時、藤君は平然と「2時間前」と答えた。
鈴木先生は“神の右手”を持つ私の担当教官だ。“神の右手”については、いつかまた書こう。
そんな鈴木先生も、ご本人曰く“時間にうるさい”そうだが、さすがに藤君の「2時間前」には仰天していた。
で、次に私が聞かれた。「親しい友達には、ごめん1時間遅れる…が日常茶飯事です…」と正直に答えたら、今度は鈴木先生と藤君が仰天していたが、「運転には時間に余裕を持ちましょう。それでも遅れそうな時には、言葉を借りるようですが、ごめんちょっと遅れるって予め連絡しておいて、心の余裕を持って運転する事も大事ですね」とまとめた。鈴木先生、非常に良いまとめ方だな。うん。
藤君と私が親しくなったら、藤君は3時間待たなくてはならない計算になる。
しかし今回の待ち合わせではそれは防がれた。
藤君に私の宿泊場所まで来てもらう事にしたからだ。
私が宿泊場所である自治会館でバタバタやっていると、自治会の役員さんが「傘はあるのかい? なかったらここにある傘使っても良いよ」と親切に声を掛けてくれた。折り畳み傘しか持っていなかったので非常に助かった。そうこうしていると藤君が到着した。藤君は傘を2本持って来た。みんな優しいなぁ。
朝ご飯を一緒に食べて、緑ヶ丘公園展望台へ向かった。雨だから眺望良くないかな?って言ったら、いや、霧が出てなければ意外と大丈夫ですよ、って藤君が言うから行ったんだけど、市民病院でバスを降りたら更に風雨が強くなっていて、展望台に着いた頃には霧がかかっていた。
雨の苫小牧。しっとり、ひんやりしていた。これもまた良いか。
藤君が展望台から見える建物を一通り案内してくれた。遠くにフェリーターミナルと、前回合宿免許の時に滞在していたホテル於久仁が見えた。
晴れていたらウトナイ湖に行く予定だったが、この天候なのでイオンでボーリングに変更した。雨は益々激しく降っている。展望台の森を出ると、とにかく横風が凄くて、借りた傘が壊れるんじゃないかと心配になった。心配するよりもなにもとにかく暴風雨で、思うように前進できない。靴はもうビッショリで、急いでタクシーに乗り込んだ。視界は悪かったが、イオンへの道が路上教習で何度か通った道だという事はわかった。確か2番のコース。違ったっけ? まぁ良いや。懐かしい。今度来る時にはレンタカーで自分で運転しよう。
イオンに着いて、私達はまず靴下を買った。藤君は靴も買った。
ボーリングを2ゲームやった。藤君が2勝した。私はボーリングで誰かに勝った事がない。藤君はカーブをマスターしたらしく、とても満足そうにしていたので良かった。
こんな日に教習所を訪ねるのもなんだかな…という感じもしたが、次の日にスーツケースをゴロゴロ引きながら行くのも更に大変だし、せっかく藤君もいるので、大雨の中、教習所に行く事にした。本当に豪雨だ。バスでとか歩きでとか言ってられない。再びタクシーに乗り込んだ。
道路は川のようになっていて、時折りバシャッと滝の中をくぐるように車は走る。水しぶきはかからないものの遊園地のアトラクションよりリアル。当たり前か。現実だもの。しかしあの高速実習の時のように、どこか現実にいないような気分でここにいる自分。ただ予定外のタクシー代が気になった。やはりイオン銀行で余分にお金をおろしておくべきだったか? それまでなんとなく会話していた藤君に「あの、緊張してます? 久しぶりに教習所行くから…」と言われて我に返った。
緊張はしないさ。だけどみんな居るだろうか? (中盤①に続く)

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