2015年9月2日水曜日

鈴木先生のこと

2015年9月2日 中盤①



凄まじく土砂降りの中、苫小牧ドライビングスクール(通称、沼ノ端自動車学校)に到着した。

タクシーの支払いをして「降りる準備できたら言ってね、ドア開けるから」と運転手さんに言われ財布をゴソゴソカバンに入れていると、後ろから職員らしき人がゆっくり歩いて来る。黒いカッパを着て傘はさしていない。雨の中一体何の作業だろう。慌てる様子もない。土砂降りの中、エントランスにタクシーが停まっている事も気に留めていないようである。タクシーの横を通り過ぎる時、ちらっと見えた横顔が鈴木先生に似ていた。が、おそらく鈴木先生ではないだろう。






入口を入ると、受付けの女性陣がいつもの笑顔で迎えてくれた。本当に彼女達の笑顔は素敵だから苫小牧ドライビングスクールは良い学校だと思う。で、少し経って私の顔を認識してやっとあれっ⁉︎てなった。最初の言葉が思い付かないので「お久しぶりです」と私は言ったが、実際あんまりお久しぶりではない。「昨日朝礼でお手紙紹介したんですよ」と言われた。苫小牧入りしてから一応葉書を出しておいたのだ。



適当な言葉が思い付かなくて「懐かしいな〜」と口に出してみたけれど、実際のところ懐かしい感じとは少し違う。つい昨日までここの椅子に座って配車を待っていたような気もするし、そんな日々を送ったのは5ヶ月前くらいの出来事で、なんと言うか、卒業した記憶だけが抜け落ちてしまったような奇妙な感覚さえした。確かに懐かしいんだけれど、今まで見た事ない景色だった。台風の日にやっとの事で辿り着いた小学校のような空気感があった。あぁなんと表現すれば良いのだろう。このまま2階の教室に移動して、学科の授業受けに行こう!って夏井先生、元気かなぁ。






受付で坪井さんに、卒業した後に泊まった旅館の話とか、今回泊まっている自治会館の話とかして、他の受付の人達も私の話をなんとなく聞いてくれているようで、調子に乗って話を続けているうちに、校内アナウンスで呼び出された鈴木先生が“ゾンビ感”を漂わせながら現れた。受付の女性陣は「あっ、ゾンビみたいなのが来ましたよ!」と私に言ったが、そこにいたのは先程タクシーの横を通り過ぎていった鈴木先生似の職員らしき男性だった。カッパを頭から被り、雨水が滴り落ちていたが、よく見たら鈴木先生だった。「こんな雨の日に呼び出すなんて何事ですか。お久しぶりです…いやお久しぶりでもないですねぇ」と言われた。こんな雨の日に…は絶対言われると思っていたのでニヤけてしまう。ただ、登場の仕方は想定外だったので、そちらこそ何事ですか、全く…笑。



鈴木先生とは、私が入校して2日目に初めて出会った。最初会った時、すごい対応がテキパキしていて、超失礼なんだけど、うわーなんだか私とは合わなさそうだなーと感じた。それがびっくり、なんまら良い先生だったのだ。それは鈴木先生がやがて私の性格を察して、私に合わせた教え方をしてくれたからだという事、よくわかっている。さすがプロフェッショナルだと思うけれど、一番そう思ったのは、教習車の運転席のシートを助手席から一瞬で下げる早技で、それを披露した後のさり気なさ。あたかも、何もなかったのに座席だけ動いたよ的な態度で、一度「せっかく合わせたのに動かされた」と言ったら呆気なく「何言ってるんですか、合わせるのが練習です」と言われた。鈴木先生は私とは正反対のような性格で、話を聞いているととても面白い。道路や交通や運転に関する色々な話を沢山してくれたのは本当に有り難かった。半分くらいは忘れてしまったけど、本当に為になった。イオンモールの横を走った時「あっ、タワレコがある!」と言ったら「ちょっとー、苫小牧をバカにしないで下さいよ!」と言われた事は良く憶えている。その話をこないだ活性の火のスタッフ達に話したら「いやいや、タワレコ札幌以外は北海道、苫小牧にしかないからねー、おかしいよねー、旭川も撤退したからねー、なんで苫小牧に残ってるのか不思議だよー、苫小牧は中心街さびれてるし、タワレコが全然似合わない街だよー」と言われた。なんだか鈴木先生を褒めているのかどうかわからなくなってきたけど、とにかく良い先生だという事を伝えたかったのだ。そして鈴木先生には、これからも沼ノ端自動車学校で良きドライバーを育て続けてほしいなと思う。なんか先生に対して上から目線の言い方で申し訳ないと思うけれど、実際のところ歳は1コ下なので仕方がない。






鈴木先生には、こないだ二俣川で学科試験を受ける前に、わからない問題について沢山質問したのだが「裏を読みすぎないほうが良いですよ」の一言で終わってしまった。一言で片付けるなんてとんでもない教官だ。結果、疑問は解消されていない。その話をしたら「あれはあえて答えないほうが良いと思ったから無視したんです」と言った。実に上手い回答だけど、正直面倒だったんでしょ、いちいち答えるの。「なんだったっけ、質問。でも一番これかー(呆)って思ったのはね、危険物のヤツ」その質問とは、こうだ。

“車両に危険物を積んでいる時、表示板等で周囲に知らせると共に、駐車する際には危険な場所を避け、危険物を見張る必要がある”と教科書に書いてあるが、例えば高速に乗っていて、一人だったらPAでトイレ行ったりSAで食事したりできないって事ですか? 放置しなければ、そのくらいは許されるんですか?

鈴「これにどう答えろって言うんですか、無理ですよ」
私「いやいや、許されるのか、我慢しなきゃいけないのか、危険物運搬には最低2人必要なのか…」
鈴「例えばですよ、危険物運搬中、駐車してある車をたまたま悪い人が見つけて、それに火を点けて燃えました。警察が来て、聞きました。ちゃんと見張っていなかったんですね? どこ行ってたんですか? 運転手は答えました。ご飯食べて休憩してました。時間? 2時間くらいですかね。警察官は言います。いやいや運転手さん、それはダメですよ、2時間も放置すりゃぁ、そりゃイタズラされますよ。こうなるでしょうね。でも実際には、トイレも食事もできないなんて不可能ですから、みんなやってます」
私「正に、その話が聞きたかったんだ!」






藤君は私達のやりとりを笑って見ていた。やっと私が満足感を示したので、鈴木先生は「じゃぁ次の教習の準備あるので…」と逃げて行った。こんな天気の日に俺の休憩時間を奪わないでくれっ(祈)!というのが本音だろうけど、学科試験を受ける前に答えてくれなかったのだから自業自得というものだ…笑。うん、人生は実に上手くできている。








教習受けてた時に撮った写真だけど、懐かしいな〜。








今気付いたけど下の写真、廊下で防犯カメラ作動中だったのか。意味あんのかな?













鈴木先生は、動物に例えると、犬より猫かなって思う。だけど野良猫っぽくないし、かと言って飼い猫っぽくもない。兎? 飼った事ないけど。そんな可愛くないか。エゾリスかなぁ。












鈴木先生に会えて良かったな、本当に。(中盤②に続く)
















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